私には、欠陥がある。

私には、欠陥がある。


『就職活動』にどうにも馴染めないという欠陥だ。

大学三年生の秋に始まった新卒就職活動の色に染まれず、内定は大学四年生の卒業2か月前にようやく掴んだ1社のみ。


周りのみんなは苦しみながらも、数か月でひょいっと乗り越えた波が乗り越えられない。

溺れてしまうのだ。


私にとって、新卒就職活動をしていた期間は灰色。苦しくて、苦しくて....。


駅で電車を待っている時に、何度線路に吸い込まれそうになっただろう。電車内で、何度泣いただろう。



みんなが普通にできていることが、できない。”ダメな人間”だという刻印を押された気分。



入社してからもしばらくは、街中でリクルートスーツを見ると気持ちが悪くなっていた。



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新卒で入社した会社を辞めて、転職しようと転職エージェントに登録した時。


登録した途端、ひっきりなしに掛かってくる電話。とにかく毎日、数時間置きに電話が掛かってくるのだ。


応募する企業を選定しきれずに応募を留まっていると、また電話が掛かってくる。「悩んでないで、さっさと応募しましょう。応募した後に悩めばいいんです」


こうやって煽って、考える隙を与えず、とにかく面接を受けるように進めてくる。新卒時の就職活動を思い出してしまい、疲れた。



また、"ダメな人間"という刻印を押される。



2週間ほどでエージェントを使うのは辞めてしまった。



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新卒でも、転職でも、就職活動をしていると先輩・OBの話を聞く機会がかなりの回数設けられ「就職活動はこうやってやるものです」というひな形が頻繁に登場する。


問題は、ここに登場する先輩・OBの方というのは旧体制的な、昭和的な就職活動をして、広くみんなに知られている大企業に就職した方しか登場しないのだ。


でも不安だから、そういった引っ掛けに気づかずに、このひな形を頼りにしてしまう。この方法しかないと思い込んでしまう。



仕事を探す方法は、転職サイト・エージェントに登録するだけではないではない。会社に所属することだけが仕事ではない。



よく考えれば分かりそうなことだけれど、視野が狭くなっている状況では全く気付かない。目の前のその選択肢が見えていない。



毎日学校・会社と家の往復のみ、毎日同じ人に会うだけの生活.......同じことの繰り返しで、考え方・選択肢の幅が狭くなっていた。



ささいな事でもいい。毎日、新しい挑戦をしよう。


自分の可能性を無意識に潰してしまわないように。


視野を広く持つことを忘れないように。